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zoom RSS ダーウィンの悪夢 le Cauchemar de Darwin

<<   作成日時 : 2007/02/20 01:00   >>

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これが悪夢であってくれればいいのに・・・
そう思わずにはいられない、悪夢よりも恐ろしい現実のお話です。



アフリカ・タンザニア 60年代 ヴィクトリア湖 
そこはダーヴィンの進化論を象徴する自然の宝庫だったのだが・・・
210種類以上生息していた魚も、ある一匹の獰猛な肉食魚が誰かに放流されて以来姿を消してしまった。
ナイルパーチ:人間の身体ほどの大きさの肉食魚。ヴィクトリア湖の新たな主は、その周辺の村に金を生み出した。魚肉加工工場が整備され、雇用が創出された。金のなる魚を捕まえようと、出稼ぎ漁師となるためにタンザニアの内陸部からも若者が集まってきた。
加工された魚は、ヨーロッパそして日本に売られていく。
魚を積み込む為に、小さな町の空港に貨物機が爆音を轟かせて毎日のようにやってくる。
ヨーロッパから武器と弾薬を積んで。
そして帰りに兵器と同じく大量のナイルパーチを積んで。


チラシ程度の知識しか持たずに観にいってきました。HPを見てしまうと、先入観が入ってしまうので、観て疑問に思ったところを後で確認するつもりで。
正直先に見とけば良かったと思いました。疑問に思う所って、みんなそう大差ないのかもです。監督のインタビューコーナーを読んで、ああそうなんだと色々納得。

内容が難しいというより、監督の撮り方に最初違和感を感じて、映画に入り込むことが出来ませんでした。撮影方法や、人物の見せ方など好きになれないところが多かった。
ドキュメンタリー映画というものの定義を「真実を切り取った映画」と思って観ると、かなり違和感を感じることになると思います。
登場人物に対する監督の思い入れが、ビシビシ伝わってきます。
その人物に対する愛情という類のものであったり、監督の主観であったりと・・・「これって、ドキュメンタリーだったよね?」とドキュメンタリーの意味を広辞苑で調べてみなくてはと思うほどでした(苦笑)フランス映画もドキュメントという区分だったので、フランス語で調べてみました。「記録映画=記録に基づく・・・」とあるので、ドキュメント=真実とは、私の思い込みだったようです。
人間が自分の意思で、何かを伝えたくて造る作品が、完全に客観的であることは難しいことでしょうし、監督本人が「これは自分の魂の映画」だと仰っているので、とてもすっきりしました。あれが「客観的真実」と言われたら、この映画の題材自体を疑問視したくなったと思います。




アフリカをどこまでも搾取しようとする列強(日本も入ってるかも^^;)ヨーロッパが、タンザニアでこんな恐ろしいことしてます!というフランス、オーストリア、ベルギー合作の告発映画です。
画面に映し出されるのは、日本で言われてるような格差社会とは比べ物にならない貧富の差。グローバリゼーションが生み出したパラドックス(矛盾)をナイルパーチを例にして描き出します。
経済国際化の波に乗って大金持ちになった人々と、その影として生まれてしまった売春婦、安い給料で命を懸けて夜警する男、ストリートチルドレン、AIDS、殺人etc...

タンザニアの不幸をまとめてドンッと目の前に出されて、さあどうだ!と言われても、正直私には何も出来ません。けれど、何かを考え始めることは出来ると思います。この映画の登場人物達は、目先の利益にぶら下がり湖の生態系だけではなく、自分達の生きていた社会のシステムまでも不幸の連鎖に変えてしまいました。

「無知であることが一番危険なことである。」監督の言葉です。
知ることとはとても大事なことで、何かを変えるときの、守るときの第一歩になりえると思います。この映画はタンザニアが舞台ですが、世界中で同じようなことが起きていると思いますし、もしかしたら、私たちの身近でもナイルパーチは別の何かに姿を変えて、私たちを試すかもしれません。何も知らずにやり過ごさずに、そのものを知ろうとする、自分の無知を自覚する。それだけで、国の為というよりも、ひいては自分のためになると思います。

そんな難しいことばかりに目を向けなくても、この映画を観て考えることは他にもありました。
「生きるということはどういうことなのか?」
売春婦や、夜警のおじさんが語ります。「教育を受けたい。」
社会の底辺で、意に染まない仕事をしながら思うこと。
「上に行きたい。もっといい暮らしがしたい。」
そう思うことは当たり前のことかもしれませんが、彼らは生きることを諦めていない。
自殺者や、ニート、引きこもりなど社会に適応できなくなる人間が増えるニュースが流れ続ける日本と比べると、彼らは非常に過酷な状況の中でしか生きられないのに、そこから逃げ出さずに必死に生きようとしている。生きる為に、家族の為に仕事をする。
だからその暮らしがいいと言うわけでは勿論ありませんが、私的には、自分の暮らしを振り返る機会になりました。
私が勝手にそういう風に、この映画を見たわけですので、タンザニアの人が自殺をどう考えているのかなど文化的考え方の違いは分かりません。キリスト教徒であれば自殺は罪ですしね。そういう宗教的背景もあるかとは思います。
ちなみに、タンザニアの平均寿命は45歳。

日本の自殺については興味深い記事を見つけました。

最後に付け足しておきまます。

WHO精神保健部ホセ・ベルトロテ博士「日本では、自殺が文化の一部になっているように見える。直接の原因は過労や失業、倒産、いじめなどだが、自殺によって自身の名誉を守る、責任を取る、といった倫理規範として自殺がとらえられている。これは他のアジア諸国やキューバでもみられる傾向だ。」by Google

http://www.darwin-movie.jp/ ダーウィンの悪夢公式サイト

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ダーウィンの悪夢(ネタばれあり)
ある日、一人の男が湖に放流したバケツ一杯分の幼魚。 そこから悪夢が始まった・・・。 ...続きを見る
毎日が映画記念日
2007/02/20 23:31

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
無知であることが、いちばん危険なこと・・・
日本で自殺する人たちが、タンザニアの底辺の人々のことを知っていたら、人生観変わるんじゃないかなあと思ったりします。いまちょうど曽野綾子の『貧困の光景』という本に興味を持っていたんですけど、曽野氏いわく、日本人は本当の不幸を知らないがゆえに、心が貧困になっていると・・・。やりきれない話ですね。
本当の不幸を実際に体験しなくても、こういう映画が教えてくれる。貴重な機会だし見るべき映画だと思います。
ぴむ
2007/02/20 23:36
ぴむさん コメント&TB有難うございます。全くもって同意見です。
さすがぴむさんの文章は分かりやすい!

>心が貧困
今の日本を表すのに、とてもピッタリな言葉だと思います。そう納得してしまう自分が悲しいのですが・・・

>貴重な機会だし見るべき映画だと思います。
全国で拡大ロードショーして欲しいです。BSだけでなく、NHKの地上波で近いうちにお願いしたい番組ですね。NHKスペシャルで是非!
meihua
2007/02/21 01:58

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